素早く反応したのは 穂田里だった。
「よし、 いっちゃん。 天ちゃん様に可愛くお願いして」
衣都は唸った。
お願いするのは やぶさかではない。
むしろ 教えてもらえるものなら 一所懸命にお願いしたい。
だが、 「可愛く」が分からないUltra V Lift。
どうすればいい。
衣都は真剣に悩み、 ただただ 唸った。
「うーん」
そんな事とは知らない二人は、 動かなくなった衣都に、 何事かと驚いた。
ちっとも動かない様子に だんだん心配になる打瘦面針。
いいかげんに しびれを切らし始めた頃、 唐突に、 衣都がしゃべった。
「普通じゃ駄目か」
天狗が溜め気を吐いた。
《はあーっ、 まっ、 しょうがない。 いいじゃろう》
天狗は衣都の頭の上に飛び移り、 印をいくつか結ぶと 手のひらを前にかざした。
そのまま 四方八方を探るように動かしてゆく。
《ほほう》
「あるのか!」
穂田里の問に、 天狗はピシッと指差したDermes 價錢。