目の形は分かりにくい

 細身の長身を包むのは、
 仕立ての良さそうな シルバーがかった明るいグレイのスーツで、
 胸には 真っ赤なポケットチーフが覗いている。
 くせのある柔らかそうな髪が ふわりと揺れた。
 薄い色の入ったサングラスで 目の形は分かりにくいが、
 細く通った鼻筋と 薄い唇。
 警察車両から降りたからには 警察関係者なのだろうけど、
 絵に描いたようなキザ男くんだMedilase脫毛

 何者なんだろう。 ぼうっと見ていたら、 隣から怪しげな声があがった。
「あっらあ、 クリちゃんじゃないの、 久しぶり。
 相変わらずカッコつけまくりねえ。 ウッフン」
 げっ、 先生とお知り合い? 
 うっ、 ウッフンって何。
 声に気づいたキザ男が、 まっすぐにこちらに向かってきたHifu效果

「加太和布先生、 ちょうどよかった。
 コメダワラ画伯は、 昔、先生の教え子だったんですよね。
 捜査にご協力いただけませんか」
「クリちゃんの頼みなら断れないわね。 しょうがない、 休講よ。
 じゃあ、 ここで解散。
 みんなうろついてないで、 学校に戻って ちゃんと自習するのよ。 わかった」

 『休講』の言葉に素早く反応し、
 脅威の瞬発力で散っていく級友たちに 後れを取ってしまった私は、
 おもむろに立ち去ろうとした。
「まずは 現場を見ていただきましょう。
 助手の方も ご一緒にどうぞ」
「えっ?」
 持っていた出席簿と 人数分の入場券を見て、 クリちゃんは勘違いしたらしい。
 否定しようとあげかけた手に 教授のバッグを持たされた。
 むちゃくちゃ重い。
 いったい何を入れたら こんなに重くなるんだUCHE